公開質問:土屋知紀氏
2020年4月に開催される福山市議会議員選挙に先立ち、候補者の方々の、子ども支援・子育て支援に関する見解を確認させていただくため、現職議員と、要望のあった新人候補に質問状をお送りしています。
ネウボラ事業計画の「児童虐待防止対策」について
- 福山市の児童虐待に関する相談・通告件数は、平成30年度 470件と、前年度より80件近く増加しています。 児童虐待の背景には、DV問題が潜むケースが多く、目黒区や野田市の児童虐待死事件を受けて行われた、平成31年3月の関係閣僚会議においては、「児童虐待防止対策の抜本的強化について」が決定され、あらたにDV対策が追加されました。 しかし、「福山市ネウボラ事業計画」の基本方針である「援助を必要とする子育て家庭への支援」の基本施策には「児童虐待防止対策の充実」はあるものの「DV家庭の支援対策」の項目が盛り込まれていません。現に DVに苦しんでいても、子どもへの直接的な虐待に至ってない場合、DV被害者からの相談は、「ネウボラあのね」では対応していない状況です。 これでは、政府の虐待防止強化通達に反しており、何より、福山ネウボラが掲げる 「すべての子ども・子育てにやさしいまち」「切れ目のない相談体制」にはなっていないと感じざるを得ません。 DVは、ひとり親家庭や貧困問題との関連性も強い事から、ネウボラ事業計画に「DV家庭支援」を基本施策に盛り込む事が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか? あなたの考えをお聞かせください。
- 政策として提言したい 改善の必要がある DV家庭支援は必要です。具体的な政策を強化すべきです。
福山市待機児童問題について
- 2019年4月時点で福山市の待機児童は10人となっていましたが、2019年10月からの幼児教育・保育の無償化により、待機児童の増加が懸念されます。 福山市の保育所は、「保護者の日々の就労や病気などのため、家庭で保育できない児童保護者に代わって保育し、すこやかな心身の発達を図ることを目的とし、また保護者の様々なニーズに応えるため、色々な保育サービスを実施している。」と謳われています。 ですが、現状では現在市内全部の保育所の空きはほぼありません。 福山市の公立の全保育所・園 49箇所のうち、0才児以上からの受入は18箇所のみです。 受入年齢が保育所によって違う為、兄弟間で別々の保育所や園などに通っている子どもたちが200世帯存在します(2019年10月時点)。兄弟で別々の保育所や園に通う保護者の負担はかなりのものです。行事などは、保育所・園により違い、別日になったり、重なるとどちらも参加するのが大変になったり、子どもも保護者も疲弊してしまいます。 受入がない為に、別々の保育所に通う・また保育所に預けたくても預けられない現状をどのようにお考えでしょうか?あなたの考えをお聞かせ下さい。 ※1 新聞記事(中国新聞2020年1月1日付)を添付しています。
- 改善の必要がある 公立保育所の民営化・廃止を進めるのではなく、公的責任で、保育行政を拡充し、全員が希望の保育所に入所できるようにするべきです。
子ども家庭総合支援拠点について
- 福山市は、2022年度までに「子ども家庭総合支援拠点」の設置を目指しています。虐待の未然防止のためには、あざや傷のある虐待発見に留まらず、養育困難者やハイリスク家庭の子育てや生活支援など、必要な支援を適切に行う拠点として、ワンストップで支援できる拠点となることが求められています。 子ども家庭総合支援拠点の運営整備を進めていくためには、行政の各機関と共に、アウトリーチのノウハウを蓄積してきた民間団体と連携して拠点を運営する必要があると考えます。いかがお考えですか?あなたの考えをお聞かせください。
- 行政の施策の拡充 民間団体と協力するべき 民間団体との連携は必要です。しかし、それだけでは十分ではなく、行政責任を拡充し、必要な予算を確保すべきだと考えます。
DV防止の啓発と母子支援について
- 啓発活動について 男女共同参画推進本部決定(各省庁主唱)の「女性に対する暴力をなくす運動」により、全国的にライトアップやメディアを通じたキャンペーン等の啓発活動が展開されています。令和元年度は、内閣府と厚生労働省が協働し「DVと児童虐待」がテーマに取り上げられ、パープルとオレンジのWリボンバッジも作成されました。 中核市である福山市においても、児童虐待とその背景でもあるDVについての社会啓発が必要と考えますが、いかがでしょうか?あなたの考えを聞かせてください。
- 改善の必要がある 政策として提言したい 極めて必要です。同時に、相談しやすい窓口の拡充・強化が必要です。
- 民間シェルターについて DV被害者支援において、きめ細やかな母子支援対応ができる民間シェルターは、地域社会に不可欠な資源です。民間と行政が対等な立場で連携して、DV被害者支援にあたるものとして、令和元年、DV被害者の保護や支援を行う民間シェルターへの支援拡充策を公表しました。 しかしながら、民間シェルターは、財政的・人的に運営が厳しい状態です。 福山市も、民間シェルターとの対等な関係を築き、シェルター運営のための助成が必要だと考えますが、いかがでしょうか?あなたの考えを聞かせてください。
- 改善の必要がある 政策として提言したい シェルターが不足しており、助成がないため、私も大変な苦労をしております。 中核市として、例えば子ども家庭センターの設立などが必要です。
- 母子生活支援施設について 母子生活支援施設は、母子が一緒に生活しつつ、共に支援を受けることができる唯一の児童福祉施設です。 「母子家庭等自立支援対策大綱」により、母子生活支援施設はDV被害者の一時保護など、多機能な役割を担うとしており、母子の中長期支援対応に母子生活支援施設の活用が提言されています。 しかし、福山市の母子生活支援施設「久松寮」は、警備体制の不備や安全性の不確保などの理由からDV被害者の受け入れがなされず、社会養護施設第三者評価において、施設の老朽化やセキュリティ、自立支援体制の問題などが指摘されています。 福山市母子生活支援施設の老朽化の改善とセキュリティや支援体制の見直しが必要と考えます。あなたの考えを聞かせてください。
- 政策として提言したい あまりにも福山の施設は劣悪です。 議会でも取り上げたことがありますが、抜本的な改善と、そのための必要な予算が必要です。
若年層のデートDV防止教育について
- 防止教育の必要性について 国の男女共同参画基本計画では、若年層のデートDV予防教育・啓発が重要な課題となっています。 若年層のDV(デートDV)予防教育は、デートDVに対する認識を高め、「DVをする人にもされる人にもならない」「お互いを尊重できる関係を築く」ことを目的としています。 また、デートDV被害、加害が発生した場合でも、「デートDVに気付き、早めに相談する」という啓発が必要です。 福山市においても、すべての子どもに、予防教育をうける機会を保障することが必要と考えますが、いかがでしょうか? あなたの考えをお聞かせください。
- 改善の必要がある 必要です
- 防止教育スペシャリストの養成について デートDV予防教育は、DV被害者支援や予防教育の専門研修を受けたスペシャリストでなければ、実施困難です。 また、こどもの年齢に合わせ、繰り返し予防教育を行う事が効果的だと言われており、小学校・中学校・特別支援学校など義務教育と高校全校での予防教育の実施が望ましいと思われます。 福山市のすべての子ども達が、デートDV予防教育を受けるためには、子どもの年齢や特性にあわせた予防教育を実施できるスペシャリスト養成が必要と考えますが、いかがでしょうか? あなたの考えをお聞かせください。
- 取り組みたい スペシャリスト養成は必要だと考えます。 具体化を急ぐべきだと考えます。
子ども若者支援に関する公的地域ネットワーク構築について
- 内閣府では、子ども・若者育成支援推進法に基づき、不登校、ひきこもり、貧困、児童虐待、DVなど、さまざまな困難な状況にある子ども・若者に対して、横断的に支援するための地域ネットワーク構築を推進しています。 ※2資料参照 またそれを実現するため、「子ども・若者支援地域協議会」や「子ども・若者総合相談センター」の設置を推進していますが、中核市である福山市は、「ふくやま・ヤングサポートネットワーク」はありますが、未だ協議会ではなく、個別事例を共有し、解決に向けてアクションを起こす取り組みには全く至っておりません。 「すべての子ども・子育てに やさしいまち ふくやま」を実現するためにも、「子ども・若者支援地域協議会」や「子ども・若者総合相談センター」の設置に向けて福山市も検討すべきだと考えますが、あなたのお考えをお聞かせください。
- 政策として提言したい 全く同感です。市内には、多くの困難を抱える子どもや若者が、何のつながりもなく孤立している状況が多数あります。
民間への業務委託について
- 例えば「子ども・若者総合相談センター」では、民間への業務委託を行っている場合も多く、特に好事例とされている「名古屋市子ども・若者総合相談センター」は、一般社団法人草の根ささえあいプロジェクトが委託を受けて実施しており、積極的なアウトリーチ(出向いての支援)や、ボランティアとの協働などで成果を上げています。 NPO法人等の民間への業務委託は、行政の下請けと揶揄されることもありますが、行政から見れば、安価に支援を実現する方法であることも事実です。また民間ならではのアイデアやフットワークの軽さ、団体として専門的なノウハウが蓄積されるなど、民間委託のメリットは多くあります。一方、行政の場合、職員の移動によりノウハウが蓄積されず、非正規雇用の職員個人のスキルに委ねられている傾向が見受けられます。 民間の力を活用するため、業務委託等を福山市でも積極的に検討する必要があると思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
- △政策として提言したい 本来は行政が継続的に推進するべき内容の業務です。それを「安価だから」と、民間委託をすると、今度は民間で働く専門家の労働条件の切り下げにつながることが危惧されます。
専門的な相談を行う非正規雇用職員の処遇改善や研修について
- 子どもに関わる支援は、貧困、虐待、DVなどを背景に複雑な課題が絡まっています。各地で発生する児童虐待の未然防止のための閣僚会議決定がなされ、関係機関の連携強化やアウトリーチ支援の通達が頻回に出されており、子どもに関わる支援現場は、とてもハードなものとなっています。 しかし非正規雇用の職員が担当することも多く、NHKクローズアップ現代に取り上げられたように官製ワーキングプアの状態です。 厚生労働省の子どもに関わる事業見直し案では、DV家庭やこどもの支援に関わる非正規職員に対して処遇改善が必要であると言われています。併せて支援スキル向上は各自の個人的な努力に委ねられています。福山市が直接運営し、非正規職員を用いて支援を実施するのであれば、支援に関わる職員が、専門的な知識や連携スキルを習得するための研修の実施、また賃金等の処遇改善がなされなければ、支援者のバーンアウトを招くなどさまざまな課題をはらむことになり、当事者の利益につながらないと思われます。非正規雇用の職員の処遇改善や研修の実施について見直しが必要と考えますが、いかがでしょうか?あなたのお考えを教えてください。
- ●政策として提言したい 本来、このような高度な専門的力量が求められる業務を非正規雇用で担うべきではありません。正規雇用で安定的・継続的に活動するためには、正規雇用・処遇改善は当然です。
面会交流サポートセンターの設置について
- 離婚後の子どもが、離れて暮らす親と会い、交流することを面会交流と言います。 平成23年に民法766条が改正され、夫婦が話し合いで離婚するときは、養育費や面会交流についてとり決めることが盛り込まれたことにより、離れて暮らす親に”会いたくても会えなかった子ども”が、親に会えるようになりました。反面、DVがあった場合でも、面会交流の取り決めは行われています。 DVによる子どもへの影響は大きく、子どもの脳が萎縮していることが研究結果からも明らかになっています。 また、DVは親同士の問題と捉えられがちですが、離別後、暴力をふるっていた親と子どもが面会する際、更に子どもへの影響が及ぶことに配慮する必要があります。また、その日程調整や子どもの引き渡しの際に、親同士の支配関係が続いてしまい、その中で子どもも深く苦しむことになります。 民間団体の取り組みだけでは限界があり、支援できる家族数が限られています。 福山市でも、公的な取り組みとして、民間と連携して、DV被害親子の安全と子どもの成長に配慮した面会交流サポートセンターを設置することが望ましいと考えますが、いかがお考えですか?あなたの考えをお聞かせください。
- 政策として提言したい 必要です。
子どもの遊び場について
- 福山市は子どもが安心してのびのび遊べる場所が十分あると思いますか?
- ないと思う 各学区に児童館が必要です。
- 競馬場跡地に新しくできる公園の具体的な計画をご存知ですか?
- 知っている
福山市子ども子育てサポート会議へのご意見、また、子ども子育てに関するお考え
皆さんの活動に心から敬意を表します。